土地探しに役立つ知識

条件付き土地とは?

2020.6.1

土地探しをしていると良く見かけるのは、建築条件付き土地という言葉。不動産屋さんに尋ねると決まった工務店で決まった期間内に建物建ててくれる人向けの土地なんです、という返事。まあ、工務店探しも面倒だしなんだか他の土地より割安だからこれにしよっかと思う方もいれば、ちょっと分からない事が不安に感じる方もいると思います。そこで、この建築条件付き土地ってどんなものなのか、見てみましょう。

条件付き土地を買った場合に考えられる3つの事

それでは、この条件付き土地を購入した場合にどんな事になってしまうのか、それとも安心して、購入しても良いものなのか、順を追ってみてみましょう。

建設費用が他社と比較できない

まず、気に入った条件付き土地の値段が割安だったりしていませんか?この場合は、きっと何処かで採算を合わせないと売り手も商売になりませんよね。住まいの見積書が高くなってしまっても、ここで断ってしまったら気に入った土地ごと諦めなければならないので仕方なく契約。結局は条件のない土地と比較しても土地建物の合計費用は同じくらいになる可能性があります。

住まいを建てる前の計画に時間が取れない

条件付き土地に着工までの期間が設定している場合は、建設会社もその期間で収益プランを考えています。ですので建物の契約まで3ヶ月以内、もし出来なかったら土地の購入も無かったことに、なんてケースもよく見かけます。となると落ち着いて住まいの計画をしている時間も取れず、あれよあれよという間に施工会社のペースで家が建ってしまうことにもなり兼ねません。

設計事務所に頼めない?

施工会社は指定の会社、設計は別の設計事務所にしようとお考えの方。大抵、双方から断られるケースが多いようです。施工会社側としては、第3者の建築家が入る事で2点ほど懸念事項が生まれます。

1つは自由な間取りとはいえ、いつも自社で行っているパターンの住まいではなく、建築家の指定した手法で家づくりを行わなければいけないので、施工会社が建築家の仕事をやり慣れていないと相当な負担になります。

2つ目の理由として、施工会社の提出した見積書が適正価格かどうかお客さんに代わって建築家にチェックされてしまう事です。建築家の業務の一つに施工会社から提出された見積書をチェックし、見積もり漏れだったり、また不当に高い部分を適正価格に戻すという仕事があります。


施工会社が、もし土地の方でなんらかの赤字を被っていた場合、それを回収しないとなりません。それが建築家が入る事で、色々とややこしい事になるのは避けたいという気持ちになるでしょう。


また建築家側も、住宅でしたら半年ほどかけて懸命に製作してきた図面図書を、普段建築家と一緒に仕事をしたことのない施工会社がどれほどきちんと読み込むことが出来るのか不安です。ここがきちんと読み込める施工会社は実はそれほど多くなく、同じ工務店内でも現場監督さんによって相当の開きがあるのも事実です。

建築は多くの人材が関わり、初めて生まれるものなので、建築をものづくりとしてではなく、商品として捉えている施工会社だったりすると、考え方の違う両者が関わる現場がうまく回らない事はいとも簡単に想像できます。その結果の住まいは到底良いものにはならないでしょう。

条件付き土地の条件って外せるの?

試し不動産屋さんに条件を外す方法はありますかと尋ねてみてください。この土地に関わる人たちに損が出なければいい話ですので、プラスいくらで解除できますという土地も意外と多いです。ですので、どうしてもこの眺望が気に入ったなどの理由があれば、是非聞いてみてください。ひょっとすると、プラス200万円程度で条件を外しますよ、なんて返事がもらえる可能性も充分にあります。

studio ai architects 塚原信行