住まい造りに役立つ知識

家を建てる前に知っておくべき5つのこと

2020.6.1

家を建てる前に知っておきたいことを5つにまとめました。

1:家づくりのテーマを決める

まず、「なんのために家を建てるのか」という家づくりのテーマを念頭に置きましょう。家は借りて住む方法と所有する方法がありますが、家を所有する理由をはじめに決めておくとブレない家づくりができます。

どんな機能を持つ家が欲しい?

家の機能とは「家がはたす役割」のことです。「仕事場・趣味の場」「家族団らんの場」「子育ての場」「健康維持の場」「自給自足の場」「身を守るシェルター」など多くの役割を家に持たせる事ができます。
今家をつくるならば、エコ住宅で、バリアフリー、災害に強い家がよいと多くの人が考えるでしょうが、「どこまでやるか」については予算との相談になります。何を大切にし優先するかを家族で話し合っておきたいですね。

2:新築する時のスケジュール

家づくりにはどのような工程が必要でしょうか。「概算の予算を決める」「設計打ち合わせを重ねて基本設計をする(1か月~)」「実施設計を進めつつ確認申請を降ろす(1,2か月)」「見積発注し予算と突き合わせて契約内容をまとめる(1か月ぐらい)」「着工ー中間検査ー完了検査(3か月~6か月ぐらい」「引き渡し」と進み、
家の設計内容が固まってから半年以内で収まることもあれば、場合によっては入居できるまで1年以上かかる場合もあります。

引き渡しまでの期間は、設計内容が固まるまでの期間と工法にもよってもかなりの差が出ます。
「こどもが入学する前に入居したい」というような希望がある場合は、1年以上の余裕を見て家づくりを開始することで失敗を減らせます。
展示場など見学に行く際には、これまでの施工事例での”工期”も忘れずに聞いておくことです。

3:建てた後の維持管理費も含めた資金計画 

家づくりでの失敗で上位に入るのがお金の問題です。「予算をオーバーしてしまった」「仕事が変わりローンが苦しくなった」「予想外に光熱費がかかる」「家の修繕費を考えていなかった」など家の維持管理費を考えていなかったというケースも見られます。
住宅の新築にかかる費用(建築費、家具・照明など別途費用・外構工事・各種申請費用・税金など)と維持費(光熱費、修繕費、税金、庭の維持費など)について詳しいファイナンシャルプランナーとライフプランを立てながら、生涯のお金のながれを把握し、家の維持管理まで資金計画に入れておくことで心の余裕ができます。

4:事前に知っておきたい家づくりの基本知識

住宅建築する際にもっとも心配なのは全くに素人なのにコストパフォーマンスの良い家が手に入れられるだろうか?ということではないでしょうか。
押さえておきたい住宅建築の知識を取り上げます。

家の構造について

住宅建築する構造は大きく分けて「鉄筋コンクリート(RC・壁)造」「鉄骨(S)造」「木造」があり、それらを合わせた混構造で作る家もあります。
それぞれ一長一短ありますが、鉄筋コンクリ―ト造が良いという場合は、ハウスメーカーではなく工務店やゼネコンに依頼する事になります。

家の性能について

家の品質確保のために国が住宅性能表示制度を設けています。必須項目は4つあり「耐震・耐風・耐積雪に対する構造性能」「維持管理しやすさの性能」「経年劣化対策の性能」「断熱性能・省エネ性能」について各地域で基準を設け、申請してクリアした住宅には性能表示がなされます。
それ以外にもバリアフリー、換気、音環境、光環境、防犯、火災時の安全性について、国が最低ラインの性能基準を設けています。家族の命を守る安全な家であることは重要ですが、
過剰性能かどうかの線引きは一般化しにくく、そこに住む家族がなにを優先して予算配分するかにゆだねられます。

家を新築する建築会社について

家を新築する場合、日本では9割以上が「工務店かハウスメーカーで新築する」というアンケート結果が出ています、それぞれ一長一短ありますが、家の性能や工法、構造についてこだわりがあるならば、それを可能にする会社は絞られてきます。
「断熱性・気密性能をきっちり保持したい」場合に家の性能を数値化していない会社に不安が残るのは当然ですし「RCの家をつくりたい」場合はハウスメーカーではつくれません。
「3か月後に住みたい」時には在来工法でない方が実現度が高いでしょう。
実現したい構造・性能を建築会社が技術的にカバーできる必要があり、おのずと建築会社は絞られてきます。

5:失敗が起きやすい事例と解決法 

住宅を新築する場合にどんな失敗を起こしがちなのでしょうか。
先輩たちのアンケートによれば、「予算をオーバーしてしまった」「間取りと広さで失敗した」「使い勝手が悪い」「維持費が思ったよりかかって大変」などが上位に挙がってきます。使い勝手が悪い間取りや広さの問題は、リフォームするにも大掛かりになってしまいます。
新築早々にできるものではないので、そのあたりは家族で十分に話し合しあい、設計者とプランをもむことが大切です。
家具が入った状態を模型やシュミレーターなどでみることができれば、失敗を少なくします。お金の問題も大きなものですから、老後まで踏まえたしっかりした資金計画が事前に必要です。

家を建ててからでもできること

家を建てた後でも、変更できる部分もあります。例えば、太陽光発電システムなどは、家を建てると同時でなくとも取り付けは可能です。
逆に、断熱性能や気密性能、間取り、部屋の広さ、動線の悪さなどは家を建ててしまってから変更する場合、大変大掛かりな工事になります。建築設計事務所など専門家のアドバイスを得ながら、長くコストパフォーマンスを保てる家を建てたいものですね。

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