架構

飼料小屋の改修

2020.6.30

今回は千葉の南房総エリアにある食用牛のための飼料小屋の改修現場に行ってきました。千葉県は去年の台風15号、19号の影響で未だに多くの家屋や施設が壊れたままです。既に1年近く前の災害ですが、職人さんの数が圧倒的に不足していて工事の見積もりを取るまでに数ヶ月待ち、着工までには数年待ちという状態が続いています。大工さんの方も普段は新築の住まいを造る仕事がメインですが、このように破損した家屋の修繕ばかりで皆さん、ちょっと疲れてしまっている様子です。

そこで、ちょっと気分転換も兼ねて私のできる事で、お手伝いをしに南房総へ。材料の拾い出しをしやすくするために、簡単な図面を起こす事にしました。

私が現場に着いた時には職人さん達が飼料の片づけを手作業で行っていました。途中まではユンボで片付け作業をしていたそうなんですが、機械の調子が悪くなってしまい他のユンボをとりに行くくらいなら手作業でという事で、でもとても大変そう。

この被害に遭ってしまった屋根を元のサイズよりも大きく頑丈に作りたいとのこと。今度は台風で飛ばされないように片流れから切妻のカタチにして、それに伴って束を伸ばし、トラックも入れる高さを確保しようという事になりました。

ただ、そんなに費用をかけても仕方がないので、現状で使える材料は最大限使える事に。高さを上げるので束は交換になりますが、梁や垂木は全て再利用、足りない部分だけ付け足して作ります。

現場の壁で大工さんと打ち合わせ

大工さんの事務所に戻って作業する事に。一度自分の事務所に持ち帰り図面化しようかなと思っていましたが、今回はこの場で簡単なスケッチで事足りそう。最近はipadで簡単にスケッチが出来る様になったので、とても重宝しています。

一旦は、棟の位置を真ん中で書いてみたのですが、それだとトラックが入りにくいという事で棟の位置を全面道路側に寄せてトラックの進入側の高さを確保。屋根伏スケッチ、梁伏スケッチ、各通りの断面を書いて、ナントカこれで作れそうかな。

これで今年の台風は大丈夫。お客さんの牛たちも美味しい飼料を食べられきっと満足してもらえるでしょう!

studio ai architects 塚原 信行