住まい造りに役立つ知識

夢の住まいづくりは誰に頼めばいい?(前編)

2020.5.27

住まいを手に入れる時の方法としては大きく分けると、4種類あります。

  1. 不動産屋さんに行って、建売住宅や中古住宅を探す
  2. 住宅展示場で住宅メーカーに頼む
  3. 地元に根付いた地域の工務店に頼む
  4. 建築設計事務所に頼む

それでは、それぞれどのような特徴があるのか見てみましょう

1. 不動産屋さんに行って、建売住宅や中古住宅を探す


もし、いま直ぐに住まいが必要という方には、建売住宅や中古住宅を購入することをお勧めします。このケースの最大のメリットは早さと実際の住まいを内観できることです。あなたが内覧して気に入れば直ぐに手に入れられるからです。

ただし、デメリットもあります。それは、どのような品質かが正直分からない事です。建物は作り終わってしまえば、床下、壁の中、屋根裏など、外からは見えません。それが雨漏りや耐震性などの欠陥に結びつく可能性があります。建売住宅を作っている大多数の職人さんは懸命に作っているとは思いますが、作っている最中に買い手がいる時といない場合では、意識が違う方がいる事も事実です。


中古住宅の場合、購入をする際にぜひ参考にして欲しいのが建物状況調査です。2018年4月に宅建業法が改正され、中古住宅を安心して売買出来るように、不動産屋さんが売り手、買い手共に建築士による建物状況調査を行いませんか?と斡旋するという法律が出来ました。この調査によって、ある程度は建物の品質が分かりますし、全てクリアする事で既存住宅売買瑕疵保険に入ることもできます。

2.住宅展示場で住宅メーカーに頼む


次に、皆さんが一番先に頭に浮かぶ住宅展示場で住宅メーカーに依頼する方法です。こちらのメリットは建売ほどではありませんが、比較的早く入居できます。また価格面で安い仕様を用意しているメーカーもあるので、早く安くを最優先している方々にオススメします。


デメリットとしては設計の専門家が不在のケースがあります。建築を専門に学んできていない営業職がお客様の要望を聞き、それを下請けの設計事務所が図面化します。一見、お客さんの要望を全て詰め込んだ夢の注文住宅になりそうですが、それが必ずしも心地良い住まいにはなりません。

大事なことは専門家が、お客さんが本当に望んでいるテーマを見つけ、その軸に沿って要望の優先順位をつけ、まとめ上げること。それを担当する人が不在だと出来上がった住まいは要望の優先順位がつけられないまま詰め込まれて、中身がごちゃごちゃで居心地の悪い住まいになってしまう事も。


また、通常、住宅メーカーは既製品の中から様々な建材を選択するので、大工さんがその場の寸法に合わせてぴったりの棚を作ったりという事がなくなります。その結果、棚や家具も既製品の規格寸法によって、壁との間に少し隙間が出来てしまったりという事もあります。

前編では、不動産屋さんで購入それと住宅メーカーに依頼する特徴を見てみました。
後編では引き続き、工務店に依頼、また設計事務所に頼む場合のメリット、デメリットを詳しく解説しますね。

後編はこちらから

studio ai architects 塚原信行