自然乾燥材と強制乾燥材の違い
住まいの柱や梁に使われる木材は自然乾燥材と強制乾燥材という二つの種類があるんです。それでは、どのような違いがあるのか、見ていきましょう。
自然乾燥材とは?
自然乾燥材とは、どのようなものでどのような特徴があるのでしょうか。
木材は生き物ですから、伐採する前は当然多くの水分を含んでいます。水分を多く含んでいるという事は徐々に水分が抜けるに連れて捩れてきたり、木材にひび割れが生じたりします。ですので、建材で利用する前に必ず乾燥させる必要があります。
自然乾燥材は字の如く、自然に乾燥させる事です。材木を乾燥させるには伐採した場所で山に向かって、枝葉を残したまま半年くらいは寝かせて、水分を発散させます。杉などは渋も抜けて芯の黒いところが淡紅色に変化します。この工程を経て少し軽くなった木材を山から市場に運びます。そこからまた、実際に住まいに使われるまでは数年は寝かせておくと、自然に乾燥できます。
このように十分に時間をかけて丁寧に乾燥された木材は香りも艶も良いです。また、自然に乾燥させると木材は伐採してから100年以上かけてますます強度が増していくという実験結果が出ているそうです。その後数百年かけて伐採時の強度に戻るので、長い年月をかけて相当な強度が持続します。
強制乾燥材とは?
それでは、強制乾燥材はどのような特徴があるのでしょうか?これは、強制的に機械で乾燥させる方法です。諸説ありますが、発端はアメリカで貨物輸送する費用が重さで変わるので、運送前に強制的に乾かしてコストダウンを図ったそうです。
強制乾燥は木材を一気に機械で乾かすので、表面と内部の含水量に差ができ、内部だけにヒビが入ってしまうケースがあります。表面からは、そのヒビが全くわからないのでそういう材を知らず知らずに柱や梁などで使用してしまうと想定していた強度が出ずに大地震で崩壊してしまうなんて事も起きかねません。ですので、近年ではじっくり低温で乾燥させる方法なども出てきてはいますが、やはり自然乾燥材には、艶、香り、強度ともに敵いません。
多くの方々にとって、一生に一度の買い物の住宅。折角、建てるのであれば、丈夫で長持ちする住まいがいいですよね?仮に強制乾燥材を利用した住宅が30年しか持たないのであれば、自然乾燥材は100年以上は持つでしょう。それは現存する古民家が既に証明済ですものね。少々お値段は高くはなりますが、住宅の材料費は全体のコストの中では微々たるものです。それで3倍以上の期間、安心に住めるのであれば、こんなに素敵な話はありませんよね。