住まい造りに役立つ知識

もう大地震も恐くない!浮上する家づくり

2020.6.12

みなさん最近、地震が多くなってきたと思いませんか?普段,地震が少ないとついつい忘れてしまう災害の事。今日は地震対策の面白い機能を持っているモデルハウスに行ってきました。

三誠という会社のAIR断震というもので地震時に家自体が瞬時に浮くんです。先ずはどれだけのスピードで浮上するか動画をご覧ください

結構早く上がるものですよね。この仕組みは簡単に言うと基礎を2枚作ってその間に空気を瞬時に入れ建物を浮上させるんです。敷地内や地中に設置したタンクに圧縮した空気を溜めておき、非常時に瞬時に基礎の間に入り浮上します。地震が終わると小型のコンプレッサーで30分ほどかけてまた空気をタンクに送り込んでおきます。コンプレッサー自体は小さく床下に設置するのでそれほど音は気にならないそうです。

木造や鉄骨の住宅に適していて、RC造は重くて対応していませんが、一度だけやったことがあるそうです。私は、特に古民家などの改修時に適しているかなと。古民家の魅力はなんといっても内外の繋がり。庭、縁側、畳が大開口でつながっています。それが改修時に壁を増やさなければならず開放感が減少してしまうこともしばしば。

ところがこの仕組みを使えば地震時の水平荷重に対してほぼほぼ考慮しなくて良い。となると古民家の開放的な雰囲気をそのまま残すことも可能です。

弱点は入隅が施工上難しいそうです。入隅がある場合は犬走を増やして対応するとのこと。通常の矩形の建物であれば問題ないです。後はコストをどう捉えるかですよね。単純に基礎が2枚なので倍になってこの仕組みが加わるとトータル数百万円のコストアップ。

普通の地震だったら普通に建てても問題ありません。ただ大地震の場合、建築基準法では人命を助ける基準で設定されているので損壊はしてしまう可能性があります。その場合でもこちらは壊れない。

一生に一度来るかどうかの一回だけの地震に備えると思うか、または一生に一度来るかどうかの地震に毎日心配しなくて済むと捉えるか。あなたはどちらで捉えますか?

studio ai architects 塚原 信行