住まい造りに役立つ知識

思ってたよりもお金がかかった。。見落としがちなマイホームを建てるときにかかる費用とは。

2020.6.14

家は一生で一番高い買い物、ともいわれますが、だからこそ買い物に失敗すると大きなツケを払わされることにもなりかねません。どんな部分でお金の失敗が起きるのか、また、それを防ぐ方法についてお伝えします。

失敗の元になる家の工事金額に含まれない費用とは

失敗を招いてしまう、家の工事金額に含まれない費用を以下にリストアップします。

①借り住まいの賃貸料

②プランニング・設計・工事管理費

・ファイナンシャルプランナーにライフプランニングを手伝ってもらう

・設計事務所や建築家に家のプランニング・実施設計を依頼する

・確認申請代行を依頼する

・設計事務所や建築家に工事管理を依頼する

③外構費・家具その他備品

・図面に記載のない家具・照明器具など

・図面に別途工事と記載されたもの(外構など)

④追加工事費・修繕費

・工事中に発生した設計変更にかかる追加工事費

・各部位の仕上げ、塗装、設備機器など耐用年数が来て修繕・交換する費用

⑤税金・ローン

・固定資産税

・都市計画税

・契約書に貼る印紙税

・住宅ローン契約印紙税

・不動産登録免許税

・不動産取得税 など

こうしたものをひっくるめて建築工事費の2割~3割程度の予算を組むと良いとされます。そうしないと、せっかく建てた家なのに家具が貧弱になったり、庭に塀がなく不用心となったりします。一番怖いのはお金の問題で家族がギスギスしケンカが絶えない家になってしまうことです。

上記のなかで、お金をかけても損をしない「プランニング・設計・工事管理」について失敗例と解決法を考えていきます。

プランニング費用について

家を建てる時に、設計図書が必要になります。どのような間取りでどのような仕様の家をつくるのか、見れば全てがわかる図面です。建築士の署名がついた設計図書の一部は、確認申請書類提出の際に必要ですし、工事見積もりの際に詳細図も必要になります。契約書類として添付もされます。実際に工事をすすめる設計図書の作成には、1か月程度の時間を要します。けれども、工務店やハウスメーカーに直接依頼して家を建てる場合、”設計料”という費目が見当たらないことがあります。「設計料がサービス」になるのはなぜというと、設計料ではなく、「給料」や「外注費」として支払われるからです。その場合、設計者が工事管理を行うことは、住宅の場合まれです。設計者が工事費用に関して適正かどうかを指摘することもありません。

プランニング費用を削ったとき起きる事

家の失敗例で多いのは「間取りや広さで失敗した」「使いづらい」というものです。この失敗の原因は二つあります。一つは家族の意見がまとまっていない状態で、5年後10年後の暮らを視野に入れたプランニングをしていないこと。もう一つは、プランニングの段階で設計者と意志疎通ができておらず、生活動線などイメージできないまま実施設計に入ってしまうことです。

現在ではインターネット上にもたくさんの間取り例を見つけることができます。ですから「これと同じようにお願いします」という依頼の仕方もあるでしょう。が実際は建てる地域の違い、敷地の広さや形、接道状況などのほか、予算もあり一件一件違うので、そのままでは使えませんから図面を起こす必要があるのです。

プランニング費用をサービスしてらうと起きる失敗

プランニングの手間暇を削るということは、家づくりの最も基本となる部分を省いてしまうことを意味します。プランニングを重要視しない工務店やハウスメーカーに依頼する場合、プランニングには時間を割こうとしません。せかされて「まあ、家づくりのプロなんだし、おまかせしよう」となってしまうことで取り返しのつかない後悔の原因となります。その点、設計事務所・建築家の場合プランニングこそが重要と心得ています。

プランニング費用をかけても損をしない理由

よく練れたプランニングでは、「間取りや広さ」「使いづらさ」の失敗は起こりえません。もし、そうした失敗が起きた時には簡単なリフォームでは修繕できません。家を丸ごと変えなければならないとしたら、費用的には何千万もかかってしまうことになります。新築する場合、プランニングに手間暇と費用をかける効果は高いのです。

設計費用について

設計事務所や建築家に家づくりの依頼をするとき、設計と工事管理は分離して発注することができます。設計とは工事で実施される工事に必要な図面を設計することです。一般的にはプランニングと実施設計はまとめて「設計料」となります。

設計費用を削ったとき起きる事

「設計料込みの工事価格」というのは工務店やハウスメーカには多いものです。余計に費用が掛からないイメージが先行し設計費用を節約した気持ちになりがちです。しかし、モデルハウスや研究開発費にお金をかけるハウスメーカーなど坪単価の工事費は概して高めになります。

一般的に「設計料」に含まれる業務を説明します。プランニングを良く練りあげ基本計画が固まってきたら、確認申請提出に必要な図書と、見積もり発注のための図面を仕上げていきます。設計内容がユーザーに承認を得た後、どの工事会社に見積もり依頼するかを相談しながら見積発注をします。見積もりがあがったら、設計や仕様を細かく変更しながら予算内に収まるよう調整します。そうして工事会社と総工費が決定し、場合によっては工事契約に立ち合います。

この業務を削った場合、「家づくりの意図(設計図書)を的確に工事会社に伝えること」「工事金額交渉」をユーザーが自ら行うことになります。

設計費用をサービスしてらうと起きる失敗

ユーザーが設計事務所に依頼しなければ、金額交渉を代わりにしてくれる人はいないので、ユーザー自ら適正価格であると判断し契約金額を決定するしかありません。そうして「契約内容のすべてを把握していなかった」とか、「妥当な金額でなかった」という失敗が起きてしまいます。

設計費用をかけても損をしない理由

実際に建てる家の設計をプロに依頼することで不満のない間取りや広さ、使い勝手を手にいらられることの他に重要なことは、専門家の目で「この工事契約が適正かどうか」について判断してくれることです。金額交渉で失敗すると何百万の追加工事費となって痛い目に遭うことも考えられます。

工事管理費用について

工事管理とは、確認申請が通り、かつ、契約書につけられた設計図書通りに工事が進んでいるかを管理する仕事であり、工務店に属し現場の職人さんたちを統括する現場監督とは立場が異なります。建物が完成し、完了検査をおこなって、ダメ出し修繕後、引き渡しに立ち会うまでが業務となります。

工事管理費用を削ったとき起きる事

工事金額も予算内に収まり、設計図書もしっかり把握していて信頼できる監督さんがいるのだからワザワザ建築士に工事管理を依頼する必要はないだろう・・・というとそうでもありません。検査の立ち合いや細かい部分の納め方、色決め、仕上げ材の品番を決めるなど、現場で決めなければならないことはたくさんあります。そのほか、施工ミスや工期の遅れを是正し、未然にトラブルを防ぐ役割も担います。

工事管理費用をかけても損をしない理由

工事中に起きがちなトラブルとしては「近隣住民とのトラブル」「イメージが違う」など、頭が痛い事態が起きてくることもあります。現場でのトラブル原因のなかで、「工期の遅れ」「施工ミス・設備の不具合」が起きないよう管理し、工事が始まってからの設計変更による「追加工事費」の調整などは工事管理の職域となります。思っていたものと実際が異なることはアリがちなことですが、工事管理担当者が設計にも携わっており、ユーザーとの緊密な意志疎通が取れていれば納得できる着地点に導いてくれることも多いです。追加工事で予算をオーバーしてしまう失敗を避けられる可能性が高まります。

お金を削るべきところを間違えたら失敗する

設計事務所や建築家は予算に合わせた設計となるよう心がけています。予算をオーバーしてしまった場合、総工事費の中で削れる箇所をあらかじめある程度把握しています。仕様変更しても大きくイメージを損なわない方法を、工事業者と相談しながら金額を決めていきます。設計料がかからないからと言ってハウスメーカーに依頼し、総予算を伝えたところ予算を少しオーバーした見積もりを持ってくるというのは良くある話です。納得できる良い家をつくりたいならば、専門知識をもつアドバイザーを持つべきです。その役割を担うのが建築設計事務所であり建築家たちです。

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